2011年6月21日火曜日

南仏の5月 パート5

1996年1月29日に修復工事中のフェニーチェ劇場が放火で焼失し、私がヴェネツィアを訪れた際には、その痛々しい姿を晒していた。
現在は、元の姿を取り戻しているが、その時の廃墟はひどいものだった。

ヴェネツィアでは、サン・マルコ広場にある最古のカフェであるカフェ・フローリアンで午後の一時を過ごしたが、あのゲーテやカサノヴァもひいきにしていたことを思い出し、歴史を共有できたことが感慨深い。

ヴェネツィアの次に訪れたのが、ヨーロッパ最古、世界の大学の原点であるボローニャ大学のあるボローニャである。
あのダンテ、ガリレオ、コペルニクスが学んだのもボローニャ大学である。
ショーン・コネリーが主演した中世の修道僧探偵の話である、ボローニャ大学の教授であるウンベルト・エーコの大ベストセラー『薔薇の名前』は私の大好きな映画の一つであるが、ボローニャは中世の趣そのままに、アーケードが街をめぐり、またかつて塔が競って建てられたという名残もあった。

ボローニャに逗留したのは、近郊のイモラでF1サンマリノグランプリが開催されるからであったが、中世以来、学問の中心であり、富裕層の食文化への貢献もあり、優雅なる都市を満喫した。

ボローニャ大学周辺を散歩していた時、ショーウィンドーの素晴らしい靴が目に入った。
その店は、ボローニャが世界に誇る『ア・テストーニ』で、これまで見たどんな靴よりも、デザイン・製法共に優れた靴との出会いであった。
ショートブーツを購入し、店を出た。

Mr. Cloud

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